特養など介護施設の研修担当者必見!
こんな方におすすめ
・看取り介護の研修担当になったけど、どんな研修をすればいいのか悩んでいる
・研修資料を一から作るのは大変
・研修に事例検討を含めたい
今回は、看取り介護に関する研修「看取り期の食事の考え方について」というテーマで記事を作成していますので、ぜひご活用ください。
この記事の内容をパワーポイントにコピペすれば、研修資料を作成することができます。
看取り期の食事の考え方についての研修動画
この記事の内容に沿った研修動画になります。動画での研修をお考えの方は、こちらをご活用ください。
看取り期の食事
看取り期において、介護職員を悩ます介護のひとつが食事です。
看取り期になると、食欲の低下や食事量の減少、咀嚼・嚥下機能の低下による誤嚥リスクの増大など、様々な課題が出てきますよね。
「食べてほしい」という想いとは裏腹に、食事介助自体に不安を感じてしまい、「何を食べたいか」よりも「何なら食べられるか」が思考の中心になってしまします。
そこにご本人の想いはありますか?
ポイント
あなたは、人生の最期の食事が、どんな食事だったら嬉しいですか?
看取り期の食事については、各専門職間でも意見の相違が出てくるようになり、意見を調整していくことが難しいと感じることが出てきます。
この研修では「看取り期の食事」を通じて、看取り介護をどのように考えていくべきなのかを学んでいきましょう。
事例から考える看取り期の食事の考え方
では、ある事例について考えながら、研修を進めていきたいと思いますが、看取り期の食事について考え方の結論として、大事なことをお伝えします。
大前提となる考え方
ご本人や家族の意向・想いを確認しながら、各職種が、お互いの専門性や意見を尊重し合いながら、ご利用者にとって最善のケアを考えていくこと!
これを意識しながら、事例に取り組んでいきましょう。
事例:ご本人の状態
事例となる対象者の状態を簡単に説明します。
80歳男性の事例
・脳梗塞をきっかけの要介護状態
・意欲低下が進み、食事量が低下してきている
・咽ることが増えてきており、誤嚥のため過去に救急搬送されたことがある
・誤嚥性肺炎で入院したことがある
・お元気な頃は、各地のおいしい食べ物を紹介するグルメライター
・「食事は人生最大の楽しみだ」が口癖
・好きな食べ物は、奥様が作ってくれるハンバーグ
事例:ご家族の意向
次にご家族の意向について紹介します。
この男性の妻
・夫は定年退職してからは、おいしいものを求めて各地を旅行したことが一番の思い出
・私が作る料理も、「おいしい」と言っていつも全部食べてくれた
・食べることは、夫の一番の楽しみだ
・人生の最期くらい、好きなものを食べて迎えてもらいたい
・胃瘻は希望しない
・食事が詰まって亡くなったとしても仕方がない
事例:最期が近づいてきた時の食事
この男性ご利用者の状態は、徐々に低下していき、医師からも「看取りの時期だね」と言われ、看取り介護の計画を作成しました。
食べることが好きだったこのご利用者の食事について、あなたがこのご利用者に「できること」「してあげたい」ことは何ですか?
この研修では、様々な職種や経験年数の違う職員で話し合ってみることをお勧めします。
事例検討をする上でのポイントは以下の4つです。
事例検討のポイント
イメージを膨らませて、「できること」「してあげたい」と思うことをどんどん上げていきましょう。
事例:「できること」「してあげたいこと」をするために必要なことは何か
では、次にその「できること」「してあげたいこと」を実現するために必要なことは何でしょうか?
リスク、食事姿勢、離床時間、体調など様々な視点で考える必要がありますね。
大事なのは、「看取りだからできない」ではなく「それをするために何が必要なのか」を考えることです。
看取り期の食事を考える上で必要な視点
•現在の嚥下機能で、好きなものを食べたいというご利用者の思いを尊重するにはどうしたらよいか。
•ご利用者や家族の食べたい、食べてほしいという気持ちを尊重するために、最も良い方法は何か。
•看護師、介護職、、管理栄養士など、ご利用者の生活に関わる様々な職種が協働した取り組みになっているか。
また、令和3年度の介護報酬改定で示された『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』には、このように書いてあります。
これらのことが十分に含まれた内容になっていることが重要になります。
看取り介護に関する研修まとめ
今回は事例について、その考え方を整理してきました。
看取り介護に間違いない手順や正解などありません。いろいろな人の想いがそこに重なっているからです。
でも、できるだけ後悔のない最期を迎えて頂きたいと思っています。
同じ想いを持って、ご利用者の最期の時間を共有できると良いですね。