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【介護費用を安くする】負担限度額認定制度とは?居住費(お部屋代)や食費を軽減する方法を詳しく解説!

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 こんにちは、社会福祉のほしくずです。

 今回は、介護費用を少しでも抑える方法として「負担限度額認定制度」について解説していきます。

 介護保険施設での費用負担は、多くの方にとって大きな悩みですよね。

 やっとの思いで施設入所が決まっても次に待ち受けるのは、その費用の問題です。終の棲家である特別養護老人ホームの場合ですと、入所されたご本人が亡くなるまで、その支払いは続きます。これは大きな負担です。

 しかし、そんな悩みを解決してくれる制度があることをご存知ですか?

 それが『負担限度額認定制度』です。

 この制度を利用することで、介護施設でのお部屋代や食費の負担を軽減できるんです。

こんな人におすすめ

・介護にかかる費用を少しでも抑えたい

・負担限度額認定ってどんな制度なのか知りたい

・どれくらい費用が抑えられるのか知りたい

 この記事では、制度の仕組みや対象施設、要件などを詳しくご紹介します。介護の負担を軽くするための方法を知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください!

負担限度額認定とは?

 負担限度額認定とは、介護保険施設での費用負担を軽減できる制度です。

 この制度で軽減できる費用は以下の2つです。

軽減できる費用

・食費

・居住費(部屋代)

 この制度を利用することで、介護の負担を軽減し、安心して施設サービスを利用することができます。

負担限度額認定制度の紹介

 負担限度額認定は、介護保険制度の一環として提供されています。

 介護保険施設での生活費や介護サービスの費用は、利用者本人や家族の負担となりますが、負担限度額認定を受けることで、その負担を限定的な範囲におさえることができます。

負担限度額認定制度をおすすめする理由

 実は、介護福祉施設において費用負担が大きいのは、介護サービス費ではなく食費と居住費です。

 介護保険サービスは、介護保険を利用する約9割の利用者が1割負担となっています。しかし、食費と居住費については全額自己負担となっています。

 ある特別養護老人ホームの請求額を例にして確認してみましょう。

特別養護老人ホームの費用の内訳

●介護サービス費(基本料金+加算) 28,859円

 基本料金 780×30日=23,400円

 加算費用 5,459円

●実費負担(食費+居住費) 69,300円

 食費 1,455円×30日=43,650円

 居住費(多床室) 855円×30日=25,650円

 一目瞭然ですね。実費負担となる食費と居住費のほうが、介護サービス費よりも高くなっています。

 負担限度額認定制度は、この実費負担を軽減することができるため、この制度の利用をおすすめするわけです。

負担限度額認定制度の対象施設

 負担限度額認定の対象施設は、以下のとおりです。

負担限度額認定制度の対象施設

  1. 特養(特別養護老人ホーム)
  2. 老健(介護老人保健施設)
  3. 介護医療院
  4. 介護療養型医療施設
  5. 短期入所生活介護
  6. 短期入所療養介護
  7. 地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特養)

 入所施設だけでなく、短期入所(ショートステイ)も対象になるのはうれしいですね。

負担限度額認定制度の対象者の要件と軽減段階

 負担限度額認定の対象者には、収入要件と資産要件の2つの要件があります。

 収入要件は、非課税世帯であることが条件となります。つまり、所得が一定額以下の世帯であれば対象となります。ただし、世帯の中に住民税がかかっている人がいる場合は対象外となりますので、注意が必要です。夫婦の一方が課税者の場合も対象外となります。

 また軽減段階は全部で4段階あります。

 要件と軽減段階をまとめると以下のとおりになります。

対象者の要件と軽減段階

第1段階...生活保護等を受給されている方、世帯全員が市民税非課税であって、老齢福祉年金を受給されている方

第2段階...世帯全員が市民税非課税であって、合計所得金額と公的年金等収入額の合計が年間80万円以下の方、一定額以上の預貯金等をお持ちでない方

第3段階①...世帯全員が市民税非課税であって、合計所得金額と公的年金等収入額の合計が年間80万円を超え120万以下の方

第3段階②...世帯全員が市民税非課税であって、合計所得金額と公的年金等収入額の合計が年間120万を超える方

 原則非課税世帯が対象となりますが、貯蓄や有価証券がある場合に負担限度額認定が認められない場合があるので注意が必要です。

負担限度額認定でどれだけ軽減されるか?

 各段階で軽減額が異なります。

 従来型の特別養護老人ホームとユニット型の特別養護老人ホームを例に確認してみましょう。

従来型特別養護老人ホームの限度額

第1段階:1日当りの食費300円、1日当りの居住費0円(多床室)、1日当りの居住費0円(従来型個室)

第2段階:1日当りの食費390円、1日当りの居住費370円(多床室)、1日当りの居住費420円(従来型個室)   

第3段階①:1日当りの食費650円、1日当りの居住費370円(多床室)、1日当りの居住費820円(従来型個室)

第3段階②:1日当りの食費1,360円、1日当りの居住費370円(多床室)、1日当りの居住費820円(従来型個室)

ユニット型特別養護老人ホームの限度額

第1段階:1日当りの食費300円、1日当りの居住費820円

第2段階:1日当りの食費390円、1日当りの居住費820円

第3段階①:1日当りの食費650円、1日当りの居住費1,310円

第3段階②:1日当りの食費1,360円、1日当りの居住費1,310円

 かなり軽減されることがわかると思います。

負担限度額認定の注意点

 負担額認定は、毎年更新が必要になります。

 資産状況が変わった場合など、認定を受けられなくなる場合もありますので、注意が必要です。

 私が経験したケースでは、所有していた土地を売却したため、認定が受けられなくなった事例がありました。

 きちんと要件を確認した上で、慎重に進める必要があります。

 また、負担限度額認定は申請主義ですので、自ら申請しなければたとえ対象になる人であっても、親切に教えてくれることはありません

負担限度額認定の再申請について

 負担限度額認定を受けた後、一度非該当になってしまった場合でも、状況が変われば再度申請が可能です。負担額や収入、資産状況などに変化があった場合には、介護保険担当課に相談し、再申請を行う必要があります。

 なお、負担限度額認定の申請は年度ごとに行われますので、翌年度には自動的に適用されるわけではありません。必要な場合は毎年申請手続きを行うことを忘れずにしましょう。

まとめ

 「負担限度額認定」は、介護保険施設でのお部屋代や食費の負担を軽減する制度です。

 特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養病床、介護医療院などの施設が対象であり、収入要件と資産要件の2つの要件があります。

 収入要件では非課税世帯であることが求められ、同居する課税者や介護を必要とする親がいる場合は対象外となりますが、親が非課税世帯になると対象になる可能性があります。

 各段階に応じて軽減額が異なりますので、確認しておきましょう。

 負担限度額認定を活用することで、介護の負担を軽減し、安心して施設を利用することができます。

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