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施設研修の資料

【研修資料・動画】看取り介護に関する研修「看取りのご利用者に私たちができること」(事例検討あり)

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 特養など介護施設の研修担当者必見!

こんな方におすすめ

・看取り介護研修の担当になったけど、どんな研修をすればいいのか悩んでいる

・研修資料を一から作るのは大変

・研修に事例検討を取り入れたい

 今回は、看取り介護に関する研修「看取りのご利用者に私たちができること」をテーマにした研修資料になりますので、ぜひご活用ください。

 この記事の内容をパワーポイントに打ち直せば、簡単に研修資料を作成することができます。

看取り介護に関する研修動画

 この記事の内容に沿った動画になります。動画研修をお考えの方は、こちらの動画をご活用ください。

看取り期の考え方について

 一般的に看取り期とは、以下のような状態を指します。

看取り期

 医師が、医学的に回復が見込めないと判断したときに、概ね余命が6か月程であって、老衰または病気の末期であり、あらゆる治療も病気の治癒に対して効果ない状態のこと。

 しかし、介護職員が看取りを意識すべき時期は、一般的な看取り期の解釈とは少し違う視点が必要になります。

介護職員が看取りを意識すべきタイミング

介護を受ける人(ご利用者)が「死」を意識したときから、私たち介護サービスを提供する側は、「看取り」について考え始めるべき

 つまり、入所されたご利用者が、自分が終の棲家として、あなたが勤務する介護施設を選ばれ、その覚悟(意識)を持っているのであれば、その方にとっての看取りは、入所したその瞬間から始まっているということです。

 「死」を意識するのは、ご利用者本人であり、私たち介護者でもある

 ということです。

看取りは人生を完結させる「生」の始まり

 「死」を意識したご利用者に対して、私たち介護職員は「死」に向かってい生きるご利用者の「生」を支援していくことになります。

「生」を支援するとは

・ご利用者の「あの人に会いたい」「あれがしたい」「どこへ行きたい」支援すること

・ご家族の「あの人に会わせたい」「こんな風に過ごしてほしい」「一緒に出掛けたい」共に考えていくこと

 これが、「生」を支援していくということが、私たち介護の仕事であり、誇りでもあり、やりがいでもあります。

看取りを支援する事例検討

 事例を通じて、私たちができる「生」への支援を考えていきましょう。

 この事例を考える上でのポイントは3つです。

事例を考える上でのポイント

・ご本人やご家族の気持ちをできる限り推察して考える

・「できない」ではなく「できる」を考える

・なるべく多くの意見やアイデアを出す

 看取り期においては、リスクや手間など介護側の都合が優先されやすく、「できない」「しない」という思考になりがちです。様々な要因があると思いますが、あくまで「できる」「してあげたい」に注力して考えましょう。

事例:78歳男性の生活歴と状態

 定年退職後、還暦野球チームに所属し、週1回の練習や大会に参加するなど、意欲的に生活されていた。月1回の妻との旅行も楽しみであった。初孫の誕生を大変喜んでおられ、家に遊びにくると一緒に公園へ出かけたり、プレゼントを準備しておくなど、とても可愛がっていた

 3年前に脳梗塞を発症。右片麻痺が残り、車いす中心の生活となる。食事は自立しているが、その他の更衣や仁容、移動・移乗や入浴などは介助が必要な状況となり、在宅での生活が困難となり、施設入所となる。

 もともと社交的であり、外で身体を動かすことが好きだったが、脳梗塞と施設入所という急な出来事の連続で、気持ちの落ち込みが見られるようになった。

 甲子園やプロ野球中継があると、熱心に見ておられ、野球に関するお話は楽しそうにされる様子が見られる。また、奥様が自宅で作った肉じゃがを持参してくれた際は、嬉しそうに召し上がっておられた。

 今年に入り徐々に状態低下が進み、食事量も落ちてきていた。医師からは、「老衰だから仕方がない。看取りの準備を進めた方がいいね。」とお話があった。

事例:この男性の家族の意向・想い

 本人妻は、定期的に面会に来られている。ご本人が元気な時は、自宅で作った肉じゃがを持参し、ご本人も喜んで食べていた。

 ご本人妻「家にほとんどいない人で、外で身体を動かしたり、出かけたりするのが好きな人でした。一緒に旅行にもたくさん行きました。脳梗塞になってからは、私が看てあげられる自信がなくて、施設にお願いすることにしましたが、本当は家にいたかったと思うし、私ももっと頑張れば良かったのかなと思っています。孫のこともとても可愛がっていました。成人するまで頑張りたいとも言ってました。胃瘻は希望しません。食べられるものがあれば、持ってきます。最期くらい好きなものを食べてほしいです。」と話される。

事例:介護職員としてあなたが「してあげられる」ことは何ですか?

 老衰が進み、最期の時が近づいてくるこの男性ご利用者に対して、あなたの「できること」「してあげられること」は何でしょうか?

 先ほどのポイントを意識しながら考えてみましょう。

 また、『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』には、このように書いてあります。

 こちらも併せて意識しながら、考えてみましょう。

看取り期の支援を考える上で必要な視点

 事例でいろんな意見が出ましたでしょうか?

 看取りを意識したご利用者に対して、私たちが支援を考える上で必要な視点は以下の通りです。

支援を考えるポイント

看取りだから「できない」を考えるのではなく、ご本人やご家族の「○○したい」「○○であってほしい」に対して「できること」を考えること。

・施設に入所してから関わってきた中で、「○○してあげたい」という気持ちを大切にすること。

・看護師、介護職、管理栄養士など、ご利用者の生活に関わる様々な職種が協働して「どうすればできるのか」を考えること

「死」を意識した「生」を始めた人(ご利用者)は、生きることが、自分の力だけでは困難な方たちです

 

 ご利用者・ご家族と職員が、共に歩み、ご本人の「最期」を支援していくことが仕事です

看取り介護に関する研修まとめ

 看取り介護は、ご利用者が「死」を意識し始めた時からすでに始まっています。

 看取りの状態になる前に、ご本人やご家族との関わりの中で、その方らしい生活を一緒に考え、実践していくことが介護の仕事であり、誇りであり、やりがいでもあります。

 「看取りだから」と何もしないのではなく、「できること」や「ご本人が望むこと」ができるような施設にしたいですね。

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