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施設研修の資料

【施設研修】介護施設の「倫理及び法令遵守に関する研修」(そのまま使える研修資料)

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 特養などの施設の研修担当者必見!

 そんな方のために、今回は「倫理及び法令遵守に関する研修」の資料を公開しますので、ぜひご活用ください。

 こちらの記事を参考にパワーポイントで作成すれば、簡単に研修資料を作成できます!

倫理及び法令遵守に関する研修の目的

 まずは、「なぜ倫理や法令について研修をしなければならないのか?」ということを確認していきます。

 研修を行う目的をきちんと理解しておかないと、認識のズレや研修の意図が伝わらなくなってしまうからです。

研修の目的

○倫理とは何かを知ること

○介護職員に必要な倫理観とは何かを知ること

○自分自身の日々の言動をふり返ることの重要性を知ること

○専門職の倫理綱領を確認すること

○法令遵守とは何かを知ること

○介護事業は、制度や法律に則って実施されていることを知ること

 倫理や法令遵守に関する研修は、知識やスキルなど実践的に活用できる内容ではありません。そのため、退屈だったり、疎かになりがちな研修になります。

 しかし、私たちが介護や福祉の専門職として、「どのように行動しなければならないのか」「何をしなければならないのか」をきちんと理解しておかないと、自分勝手な判断や職員中心の介護になってしまいます。

 そのために、倫理や法令遵守については、常に意識しておくことが重要になりますので、定期的に研修を実施することをお勧めします。

 内容を区別するために、前半で「倫理」・後半で「法令遵守」という順に解説していきます。

「倫理」とは何か?

 まずは、倫理について解説していきます。

 「倫理」という言葉を辞書で調べると、以下のような内容になります。

倫理の意味

○人として守るべきもの

〇善悪・正邪の判断において普遍的な規準となるもの

〇道徳やモラル

 つまり、社会生活を送る上で守るべき、一般的な決まりごとということになります。

 もっと具体的に言うと...

具体例

○人に会ったら挨拶をする

○親切にしてもらったらお礼を言う

○認知症の方が不安な顔でいたら声をかける

○ご利用者に対して、丁寧な言葉でお話する  など

 書き出してみると当たり前のことだと思うかもしれません。

 実は、「倫理観」「倫理的な行動」とは、普段の生活や介護の現場では、当たり前に行われているべきことなんです。

 では、そんな当たり前のことを研修しなければならない理由は何でしょうか?

なぜ「倫理」の研修が必要なのか

 「倫理」とは、繰り返しになりますが、いわば社会生活を送る上で当たり前のことを言っています。善悪の判断は、人のそれぞれの価値観で多少の違いがあるにせよ、大きく変わるものではありません。では、なぜ研修を行う必要があるのか?

 介護現場の日常を少し思い浮かべてみましょう。

介護現場の実情

慢性的な人手不足

業務に追われている時間が多い

認知症の方の対応が大変

不規則な勤務形態である  など

 介護職員であっても人間です。頭では分かっていても、毎日の忙しい業務の中で、常に平常心でいることは難しいですし、倫理的な言動を常に行うことも難しいです。

 つい強い口調で話してしまったり、見て見ぬふりをしてしまったり、ご本人ができるところまで介助してしまったり...

 皆さんも経験があると思います。むしろ、「倫理的でない行動をしたことがない人」はいないと思います。

 忙しい毎日の中で、つい忘れてしまいがちになるのが「倫理」です。だからこそ、定期的に研修を行い、職員ひとりひとりが意識していくことが重要なんですね。

倫理が乱れるということ

 倫理観の欠如が一番現れやすいのが『言葉づかい』です。

 倫理が乱れてしまう要因とは何でしょうか?大きく3つの要因があります。

要因

1,業務が忙しくなると言葉づかいが悪くなる

2,職員のストレス

3,環境(職場の空気感、風土、文化)

 倫理が乱れてくると、業務へ影響が出てきます。ご利用者への対応が雑になったり、職場の人間関係悪化につながったりと倫理観の乱れは、そのままサービスの質へとつながってしまいます。

 令和3年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査では、昨年度に虐待と判断されたのは739件。過去最多を更新しました。介護施設・事業所の職員が加害者となったケースの昨年度の相談・通報件数は2390件で、こちらも過去最多を更新しています。

福祉・介護に従事する者として

 福祉や介護に従事する職員、特に社会福祉法人などの公共性の高い事業体で働く職員は、その責任感を自覚するとともに、世間からも厳しい目が向けられていることを知っておかなくてはなりません。

 社会福祉法人は、税制面での優遇や補助金を受けて設立や運営をされています。また、以下のような特徴があります。

社会福祉法人の特徴

○公共性...地域福祉の充実や発展に貢献する社会福祉事業を目的としている

○非営利性...利潤を目的としていない

○安定性...事業を継続していかなければならない

 これは、ベテラン職員だろうが新人だろうが、施設長だろうが知っておかなければならないことです。

 世間的な目という点では、日々流れるニュースなどでも、それを感じることがあります。

 私たちは「会社員」と何も変わらないはずですが、福祉施設に勤務する職員が何か事件を起こせば、「介護職員の○○容疑者は,,,」とか「福祉施設に勤務する○○は...」という風に、教師や医師、公務員と同等に扱われますね。そういう風に見られているんです。

 つまり、必然的に高い倫理観が求められる職種ということになります。

介護職に求められる倫理観

○公共性と公益性の高い社会福祉事業の担い手であることを自覚する

○専門職としての専門性を十分に発揮すること

○自身の倫理観をきちんと知っておくこと

 公共性・公益性の高い社会福祉法人の職員であることを自覚し、責任ある行動が求められているのです。

福祉・介護の専門職として倫理綱領を確認しよう

 公益社団法人日本介護福祉士会が、1995年11月17日に倫理綱領を策定し、宣言を行っています。基本的には、この倫理綱領及び行動規範に沿って、介護福祉士として業務に携わっていくことが重要になります。

公益社団法人日本介護福祉士会「倫理綱領」はこちら↓

 日本介護福祉士会「倫理綱領」

公益社団法人日本介護福祉士会倫理基準「行動規範」はこちら↓

 日本介護福祉士会「行動規範」

 機会がなければ、なかなか目を通すものではないため、研修の際には、出力して配布すると良いと思います。


 ここからは、「法令遵守」について解説していきます。

「法令遵守」とは何か?

 「法令」「法」という言葉と「遵守」という言葉を国語辞典等で確認すると「法令遵守」とは以下の内容になります。

法令遵守とは

国会で定められた法律、国の行政機関で制定される政令や省令などに従い、守ること

 法令は、社会秩序を守る規範であり、国家権力による強制力を伴うものです。

 「倫理」もある意味判断のための基準となるものですが、「倫理」が正しい行為を判断するもの自らの心の内面から判断するものであるのに対して、「法令」正しくない行為や間違いを示すもの外的強制力により判断されるものになります。

法令遵守の研修を行う重要性について

 法令を守ることは、当たり前ですが重要なことです。

 特に福祉事業は制度内事業体と言われるように、制度に沿って事業を行い、介護報酬という収入を得ています。

 施設長や役職員であれば、その法令を理解し、必要な場合は勉強をして法令に沿った形で運営をしていきます。しかし、一般の介護職員にまで、きちんと理解され、意識されているかというと、必ずしもそうであるとは言えないと思います。

法令遵守の重要性

○私たちの事業は、法律や制度に基づいて事業が行われている

○個人や事業所で勝手に解釈してはならないもの

 法令は、知らなかった、分からなかった、出来なかったでは済まされないものです。また、勝手な解釈をしてしまうと、不正行為や違法行為となり、処罰の対象になる可能性もあるため、注意が必要です。

法令を守らないとどうなるのか?

 法律を守らないという状況はなぜ生まれるのか?

法律を守れない状況

○法律や制度を知らない

○バレなければ大丈夫

○誰の迷惑にもなっていない

○面倒だ、時間がない

○こんな法律はおかしい

○他のところでもやっているから大丈夫  など

 前半の「倫理」については、倫理的な行動をしなくても「犯罪」にはなりませんが、法律の違反は「犯罪」であり、「処罰」の対象になります。

法令遵守は、当たり前のこと

 介護保険サービスを提供する事業者は、それに関連する法律や制度を守ることは、あたりまえのことです。法律や制度によって守られている部分もあるということを理解することが大切です。

 「倫理」と違い、「法令」には外的強制力があることを忘れてはいけません。

 また、法改正や制度改正に目を向けることも大切です。施設長や役職員など、施設の運営に関わる人たちは、法律や制度改正の内容を理解し、必要な場合は勉強するなどして、法令に沿った形で管理・運営することが必要です。

 生活相談員や現場レベルでも加算要件の変更や解釈通知の追加などに目を向け、情報を共有していくことが重要ですので、意識していきましょう。

倫理及び法令遵守に関する研修まとめ

 今回は、「倫理及び法令遵守に関する研修」に関する研修について、「倫理」と「法令遵守」に分けて解説させて頂きました。

倫理に関する内容まとめ

○ルールを守る、責任ある行動をとるなど一般的な倫理観と共に、専門職としての倫理もきちんと身につけておくこと

○日頃の業務をふり返り、倫理的でない行動をしていないか自己分析をすること

○専門職(プロ)としての自覚を持ち、実践していくこと

法令遵守に関する内容まとめ

○法律や制度に違反することは「犯罪」であり、「処罰」の対象

○法律や制度の下で施設が運営されていることを理解する

○法律や制度改正には注意を向け、自分たちの業務が法令に準じて行われているかを常にチェックすること

 少し取っつきにくい内容が「倫理及び法令遵守に関する研修」になりますが、実は施設を運営していく上では、とても重要なことになります。定期的に研修を行い、職員全員が理解し、意識して業務に携われるようにしていきましょう。

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