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生活相談員はうつ病に注意!うつ病になりやすい要因と予防について

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 こんにちは、ほしくずです。

 今回は、生活相談員とうつ病のについての記事です。

 生涯において15人に1人、過去12か月間には、約50人に1人がうつ病を経験している

 これを聞くと、うつ病が非常に身近な病であることがわかると思います。

 生活相談員は、何かとストレスを感じやすい環境にあります。稼働率他職種との関係管理者と現場やご利用者・家族と現場の間で板挟みになりやすい環境...

 ご利用者やご家族だけでなく、現場で働く職員などの気持ちを受け止めながら、あらゆる場面で相談や調整が必要になる仕事ですので、とてもストレスを感じやすい状況にあります。

 受容、共感、傾聴など相手の想いを感じとり、言葉の裏にある想いを受け止めながら仕事をしていく...生活相談員の心の負担は、とても大きいです。使命感や責任感が強ければ強いほど、自分よりも相手のことを考えてしまいます。

 いつの間にか、自分の心のダメージが蓄積されていく...そしてそれが爆発してしまうと、うつ病につながってしまいます。

 うつ病は、症状が悪化すると、自ら死を選んでしまう可能性もあり、決して甘く見てはいけません。

 今回は、生活相談員がうつ病になる要因とその予防策、うつ病かな?と思った時の対策について解説していきます。

こんな方におすすめな記事

家に帰っても仕事のことが気になってしまう

・毎日、憂鬱な気分になる

うつ病かもしれないと感じている

 私自身も、過去にうつ病を2回経験しています。その経験も踏まえて、うつ病や気持ちの落ち込みがある方の少しでもお役に立てれば嬉しく思います。

私もうつ病だった過去があります

 私も過去にうつ病を2回経験しています。

 1回目は1ヶ月の休職の末、退職しました。

 2回目は1か月の休職後、少しずつ復帰して、今では通常通り勤務できています。多少の気持ちの浮き沈みがありながらも、勤務を継続できていますが、いつまた自分がうつ病になるのか不安は尽きません。

 うつ病を発症する前には、必ずいくつかの症状が表れます。今は、その心身の不調を早めにキャッチし、無理のないように適度に休みを入れたり、リセットすることで再発を防ぐことができています。

うつ病の発症前に表れた症状

 うつ病と診断される前から、自分自身の心身の不調には気づいていました。

 しかし、生活相談員という立場は、ひとつの事業所で一人しか配置されていないことも多く、「誰かに迷惑をかけてしまうから休めない。」「自分しかできない。」という想いから、勤務を続けてしまい、結果うつ病を発症してしまいました。

うつ病発症前の症状

いつも仕事の心配事が頭の中にある

・考え事をしてしまい、夜眠ることができない

朝が来るのが怖く、夜眠りたくない

食欲がない

仕事に向かおうとすると嘔吐しそうになる

理由が分からず、涙が出る

 1回目のうつ病の時は、介護現場で起きた事故の対応について、家族から裁判を起こすというところまで話がこじれてしまっており、それを何とか解決しようと必死になっていました。

 2回目のうつ病の時は、果てしない疎外感と孤独感を感じながら勤務を続けて、誰にも相談できない状況になっていました。

 毎日、仕事のことばかり考え、仕事に悩む日々でした。

 今思えば、早い段階で誰かに相談したり、受診をすれば良かったと思います。

上島竜兵さんも...著名人も死を選んでしまう

 令和4年5月11日の朝のニュース速報で、人気お笑いトリオ「ダチョウ俱楽部」の上島竜兵さんが亡くなられたというニュースが流れてきました。一部報道では、自殺とみられるとの事でした。

 人気お笑いトリオ「ダチョウ俱楽部」のメンバーの上島竜兵(うえしま・りゅうへい)さん(61)が死去したことが11日分かった。警視庁中野署によると、現場の状況から自殺とみられる。 【写真】キスネタを披露する上島竜兵さん 同署によると上島さんは同日未明、東京都中野区の自宅から救急搬送されたが、午前1時ごろに搬送先の病院で死亡が確認されたという。所属事務所によると、同日未明に自宅で家族が異常に気づいた。

                                                        産経新聞 産経デジタル

うつ病の方の75%は、専門医の受診をしていない

 コロナ禍になり、竹内結子さんや三浦春馬さんなど、自ら死を選ぶ著名人が目立つようになりました。

 仕事の忙しさや世間のイメージ、医療機関への受診のしづらさなどで、心身の不調を感じていても、受診をしない・できない人が多くいらっしゃいます。

 亡くなられた方が、全員うつ病を患っていたのかは定かではありませんが、精神的に追い詰められている状況に変わりはなかったのだと思います。

 人気も仕事もある中でも、心の病は自分が想っている以上にメンタルを破壊していく事がわかります。

生活相談員は、うつ病になりやすい?

 生活相談員は、施設のご利用者や家族、医療機関や関係する事業所、ケアマネジャー、現場の介護職員や看護職員、上司や管理職など、さまざまな人との関わりを持ち、連絡・調整を行うことが仕事です。

 人同士の関わりの中で、その連絡や調整を行うことに悩む生活相談員も多く、関係性や様々な環境下で板挟み状態が続き、精神的ストレスが蓄積されていけば、うつ病を発症するリスクも高くなります。

 また、施設の窓口として、ご利用者や家族からの苦情対応や地域からの厳しい意見に対応するもの、かなりストレスが大きい仕事です。

 そういった仕事や環境下で働き続けなければならない生活相談員は、そのストレスから心身に影響を与え、うつ病を発症するおそれがあります。

 うつ病になると、理解したり判断したりすることが難しくなったり、好きなことをしていても楽しめなかったり、いくら休んでも疲れがとれなかったりします。

生活相談員がうつになる要因

 精神的ストレスが継続的に抱え続けていれば、心身への影響も大きくなります。そういった精神的・身体的ストレスが、うつ病発症に背景になります。

 生活相談員が、うつ病になる要因として考えられる要因は以下のとおりです。

うつ病になる要因

生活相談員という立場であるという孤独感

施設の運営に携わっているという責任感の強さ

介護職員や看護職員との人間関係の悩み

ご利用者や家族からの苦情や厳しい意見への対応

業務量の多さ

・不調を言いづらい職場環境

 うつ病を引き起こす要因は、仕事の内容や人間関係、働く環境などがあり、様々な要因と自身のストレス具合が相まって発症すると考えられます。

 また、想いや責任感が強かったり、仕事をきちんとこなそうとする完璧主義な人や真面目で几帳面な人ほど、自分を追い込んでしまいがちになります。

うつ病の症状

 うつ病は、心身ともに様々な症状を引き起こします。

うつ病の症状

・気分が落ち込みやすくなる

・周りの目が異常に気になる

・集中力が続かない

・理解や判断が遅くなる

・夜眠れず、朝起きれない

いつも怠く、疲れがとれない

・食欲がない

 すでにこのような症状が出ているようであれば、早急に受診することをお勧めします。

うつ病のリスクがある兆候

 うつ病は、自分から認めることは難しいですし、自覚しにくいものでもあります。少しのことでは、それを疑うことは難しいと思いますが、毎日の仕事をふり返っていただき、これからお示しすることに該当するようであれば、うつ病の可能性を疑った方が良いかもしれません。

うつ病の兆候

仕事の集中力が続かない

感情の起伏が激しい

少しのことでイライラしたり、マイナスの感情に襲われる

いつもできていた仕事でミスが増える

 夜更かしした次の日だったり、連休明けなどに一時的にこのような症状があっても、さほど気にする必要はありませんが、こういった症状が継続している場合は、うつ病の兆候かもしれません。

うつ病を防ぐために

 うつ病は、誰でもなる可能性があります。私自身も、自分がうつ病になるなんて思ってもいませんでした。うつ病は、とにかく早くその兆候に気づき、対応することが重要です。

 そのためにできるセルフマネジメントについて紹介していきます。

予防策① 休む選択をする

 真面目な人ほど、仕事を休むことに抵抗があります。しかし、心身ともに疲弊している状態では、仕事の効率も上がりませんし、ミスも多くなります。しっかり休んでリフレッシュし、その後に頑張ればいいんです。

 「自分しかいないから、自分がやらなきゃ。」

と考えるかもしれません。しかし、よく考えてみて下さい。自分が1日休んだくらいで事業所回らないことなんてあるでしょうか?自分がいなくても、事業所はきちんと稼働しています。

少しでも不調があるのであれば、しっかりと休むこと

 たまには、自分を守ることも考えましょう。

予防策② 相談できる人をつくる

 生活相談員は、孤独な立場であり、なかなか相談する人がいないかもしれません。

 しかし、現状の不安や悩みを相談できる相手を作り、悩みをひとりで抱え込まないことが、うつ病を防ぐうえでは重要になります。上司でも、同僚でもいいと思います。

 また、介護職や看護職の中にも、生活相談員の大変さを理解してくれる人が必ずいます。

自分が信頼できる相談相手を作ること

 自分の味方になってくれる人を見つけておきましょう。

予防策③ 早めに受診する

 うつ症状であれば、精神科や心療内科が受診先になります。専門医に受診するハードルは高く感じるかもしれませんが、早めに対応することで、症状が顕著になる前に助言をもらえたり、薬を処方してもらえたりします。

 意外とこの受診を躊躇うことで、対応が遅くなってしまう場合があります。

 精神科や心療内科は、予約を基本としているところが多いことも、受診しにくい状況を作り出しているのかもしれません。

 私の経験ですが、いきなり突撃しても大丈夫です。

 「予約がないと...」「時間が遅くなりますが...」など多少は言われますが、予約がなくても診てくれます。

 自分が心身に不調を感じているのであれば、早めに受診してみましょう。

予防策④ 退職・転職も選択肢に入れる

 職場の環境がなかなか改善しなかったり、相談できる相手がいなければ、退職や転職も視野に入れましょう。

 

 退職は収入面で不安が残りますし、転職も必ず成功するとは限りません。しかし、自分の心身が壊れてしまっては元も子もありません。

 転職は、転職サイトや求人に応募することで、見学などを通じて事前に職場環境を確認することもできます。

 ただし、環境を変えることは、うつ病の発症の要因になることもありますので、慎重に検討することが必要です。

まとめ

 生活相談員は、様々な関係の中で相談や調整をしていく仕事ですので、心身ともに負担の大きい仕事になります。

 そのため、自分の心身の状態を把握し、自分でコントロールしていかなくてはなりません。しかし、多くの生活相談員は、責任感と使命感の強さから、自分よりもまず相手の感情や想いに応えようとし、意識しなければ自身に目を向ける機会がありません。

 自身の心身の状態をきちんと管理することも、生活相談員の大切な仕事です。ご利用者やご家族が信頼していた「あなた」がいなくなったら、困るのはその方々ですからね。

この記事でお話した内容

生活相談員は、うつ病になりやすい

生活相談員が、うつ病になる要因

・うつ病の可能性がある兆候

・うつ病の症状

・うつ病にならないための予防策

 自身の心身が整っていなければ、ご利用者や家族に安心してもらえる関わりもできなくなります。

 1日1回は、自分自身に目を向ける時間を作ってみて下さいね。

 今回の記事は、これで終わりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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