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【重要】2024年度(令和6年度)介護保険制度改正・介護報酬改定見直しポイント5選

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 令和4年12月に行われた厚生労働省「社会保障審議会介護保険部会」において、令和6年度の介護報酬に向けた審議が行われ、介護保険制度の見直しに関する意見がまとめられました。

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 介護保険鮮度は、3年に1回改正が行われ、2年目のこの時期(12月)に次回の改正についての大まかな骨子が決定されます。しかし、今回の社会保障審議会では、結論を先送りする事案も見られ、令和6年度の介護保険制度改正の先行きが混沌としてきました。

この記事の内容

・2024年度(令和6年度)介護保険制度改正のポイントを知りたい

・2024年度(令和6年度)介護保険制度改正の内容を整理したい

・介護保険制度改正による影響を知りたい

 今回は、延べ41ページに及ぶ「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」の中から、特に実務に直結しそうな内容をピックアップしてまとめました。

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 今後の施設運営や介護保険制度改正へ向けた準備に、ぜひご活用ください。

2024年度(令和6年度)介護保険制度改正の背景

 まずは、今回の介護保険制度の改正に関わる社会情勢や背景を確認しておきましょう。

 2000年(平成12年)に介護保険制度がスタートして22年が経過し、大きな転換期を迎えようとしています。人口構造の変化や経済状況の変化などに対応しながら、いかに持続可能な制度としていくかが大きな課題となっています。

介護保険制度を取り巻く社会情勢の変化

・2025年に団塊の世代が75歳以上となる

・2040年には団塊ジュニア世代が65歳以上となり、高齢者人口がピークを迎える

・2040年に15歳から64歳までの生産年齢人口が急減していき、全産業において人材不足となる。そのため、サービスの需要に応じた介護人材の確保が難しくなる

・都市部では高齢者人口が急増する一方、高齢者人口がピークを迎えている地域では緩やかに減少してくるため、地域のニーズに応じた柔軟なサービス提供が必要となる

 介護保険制度は、高齢者の介護になくてはならないものとなっています。

 増え続ける高齢者や介護人材の不足、多様化するニーズに対応していくために、誰もが安心して生活できるような制度改正が求められています。

介護保険制度改正・介護報酬改定見直しポイント

 今回の「介護保険制度の見直しに関する意見」では、地域包括ケアシステムを中心とした介護サービス基盤の整備や共生社会の実現に向けた取り組み、介護人材の確保や利用者負担に関することなどの意見がまとめられています。

 その中から次の5つのポイントについてまとめていきたいと思います。

介護保険制度改正のポイント

1,介護保険の利用者負担引き上げについて

2,要介護1・2の訪問介護・通所介護を市町村の「総合事業」への移行

3,ケアプランの有料化

4,新サービスの創設

5,要支援者のケアマネジメントを居宅介護支援も指定対象へ

 今回の介護保険制度改正は、気になるポイントがたくさんありますが、特に気になるところは、上記の5つだと思います。

 その他にも、介護保険制度改正に関する情報を以下の記事で解説しています。

 ぜひ参考にしてみてください。

改正のポイント1:介護保険の利用者負担の引き上げについて

 介護保険制度の利用者負担については、その所得等に応じて介護保険負担割合が1~3割となっています。現状では、介護保険負担割合が1割の方が9割を占めています。

 この負担割合の2割の対象者を枠を広げようという議論が交わされていました。

ポイント

利用者負担の引き上げは、令和5年6月の閣議決定まで先送り

 ウクライナ戦争や円安の影響による物価高騰が国民生活を直撃するなか、利用者負担の引き上げについては、関係団体などから強い反発の声があがっていました。

 医療保険についても高齢者の支払い能力に応じた負担増を行う方針を既に決めているため、来年の動向も注視しながら結論を出す予定です。

改正のポイント2:要介護1・2の訪問介護・通所介護を市町村の「総合事業」への移行

 増え続ける介護給付費を少しでも抑えようとする中で、要介護1及び2の方を軽度者とみなし、訪問介護・通所介護を「総合事業」へ移行するという考えがありました。

ポイント

「2027年度の制度改正までの間に結論を出す」との方針により、今回の改正では見送り

 財務省を中心とした介護給付費を抑えたいと考える側と現場関係者かたの強い反発の中、2024年度の介護保険制度改正では見送りとなりましたが、2027年度の改正までさらに議論が続いていくようです。

改正のポイント3:ケアプランの有料化

 居宅介護支援のケアマネジメントについては、現行制度では全額公費となっているが、これについて利用者負担を徴収していくというものです。

ポイント

「2027年度の制度改正までの間に結論を出す」との方針により、今回の改正では見送り

 「利用者やケアマネジメントに与える影響、他のサービスとの均衡なども踏まえながら、包括的に検討を行い、第10期計画期間の開始(2027年度)までの間に結論を出す」と記載しています。

改正のポイント4:新サービスの創設

 通所介護などが地域の実情やニーズに合わせて柔軟に対応できるように、新しいサービスの創設がされるというものです。

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 具体的には、通所介護の事業所が利用者に訪問サービスを提供したり、通所介護と訪問介護の事業所が相互に連携したりする形を想定しており、市町村が主体となる「地域密着型サービス」として調整されていく見込みです。

 新しいサービスとなると、2012年に創設された「定期巡回・随時対応型訪問介護・看護」と「看護小規模多機能」以来12年ぶりとなります。

ポイント

これから来年度にかけて、新たなサービスの運営基準や報酬のあり方など具体的な検討を進めていくことで大筋合意

 今後、年内にも方針を正式に決めていく予定で、2024年度の制度改正・報酬改定の中では、大きな動きのひとつとなりそうです。

改正のポイント5:要支援者のケアマネジメントを居宅介護支援も指定対象へ

 現行では地域包括支援センターに限定しているが、居宅介護支援事業所も指定対象として新たに加えるというものです。

 2024年度からの実施を目指す。地域包括支援センターの負担軽減につなげることが狙いです。

ポイント

「地域包括支援センターの一定の関与を担保したうえで、居宅介護支援事業所に介護予防支援の指定対象を拡大する」と明記

 具体的な関与の在り方は、今度議論が進められていく見通しです。

その他のポイント:2024年度から義務化「BCP(業務継続計画)策定」

 2021年(令和3年)の改正で、感染症や自然災害が発生した場合でも、社会に必要なサービスとして介護サービスは継続していかなくてはならないものとされ、そのために「BCP(業務継続計画)」の策定が義務付けられました

 2024年まで経過期間が設けられていますが、準備をしておかないと間に合わなくなります。

 BCPに関する解説は、こちら↓をご確認ください。

【2024年義務化】介護施設の業務継続計画(BCP)に係る研修 BCPの意義と策定方法

続きを見る

 こちらの内容は、同じく義務付けられる研修にも使用できる内容にしてあります。

2024年度(令和6年度)に義務化される取り組みのまとめ

 令和3年度の介護保険制度改正にて経過措置とされていたものが、令和6年度には義務化となる取り組みがあります。

 3年間の経過措置を経ての義務化になり、内容によっては減算の対象になるものも含まれていますので、下記の記事にて早めにチェックしておくことをおすすめします。

【令和6年度義務化】介護保険制度改正で実施が義務付けられる内容6選まとめ:令和3年度改正では経過措置だった取り組み

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2024年度(令和6年度)介護保険制度改正見直しポイントまとめ

 本来であればこの12月に介護保険制度改正の骨子が決まるのが通例ですが、今回は今後の介護保険制度の在り方を左右する改正となるため、慎重に議論が進められている印象です。

改正ポイント5つまとめ

1,介護保険の利用者負担引き上げについて ➡ 結論を先送り

2,要介護1・2の訪問介護・通所介護を市町村の「総合事業」への移行 ➡ 今回の改正では見送り

3,ケアプランの有料化 ➡ 今回の改正では見送り

4,新サービスの創設 ➡ 新サービス創設で大筋合意

5,要支援者のケアマネジメントを居宅介護支援も指定対象へ ➡ 指定対象の拡大

 来年6月には骨太の方針が策定されるため、介護保険制度の動向は、今後も注視していく必要がありそうです。

2024年度 介護保険制度が大きく変わる可能性(R5.1.5追記)

  令和4年12月に行われた厚生労働省「社会保障審議会介護保険部会」において、令和6年度の介護報酬に向けた審議が行われ、介護保険制度の見直しに関する意見の内容をさらに読み込んでいく中で見えてきた、制度が大きく変わる可能性についてこちら↓の記事で解説します。

【2024年介護保険改正】社会保障審議会「意見書」から読み解く大転換を予感させるポイント2選

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【こちらも注目】令和5年4月開始「ケアプランデータ連携システム」

 介護保険制度改正の陰に隠れ、あまり注目されていませんが「ケアプランデータ連携システム」のパイロット運用が令和5年1月中旬よりスタートとなり、4月から本格運用開始となります。

 こちらも併せて、動向に注目しておきましょう。

【令和5年4月開始】ケアプランデータ連携システムで何ができる?費用やメリット・デメリットを解説

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