記事上

施設研修の資料

【研修資料】介護事故発生または再発防止のためのリスクマネジメント(そのまま使ってOK)

【広告表記】

※アフィリエイト広告を利用しています

ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 特養などの介護施設の研修担当必見!

 そんな方のために、今回は「介護事故発生又は再発防止に関する研修」として、介護事故防止のためのリスクマネジメントの研修資料を公開しますので、ぜひご活用ください。

 この記事は、「介護事故発生防止に関するリスクマネジメント」についてまとめています。この内容に沿って研修資料を作成することができます。

介護事故発生防止の研修動画

 動画を活用した研修をお考えの方は、こちらをご活用ください。

 この記事の内容に沿った研修動画になります。

介護事故防止のための研修の目的

 まずは、「介護事故に関する研修がなぜ必要なのか?」を確認していきます。

 研修を行う目的をきちんと理解しておかないと、認識のズレや研修の意図が伝わらなくなってしまうからです。

研修の目的

○事故防止に関する考え方を理解するため

○ひやりはっと報告、事故報告の重要性を理解するため

○事故の再発を防ぐため

○リスクマネジメントの手順を理解するため

 ご利用者が安心・安全に過ごすために、介護現場におけるリスクマネジメントは、とても重要です。職員全員が、その意味をきちんと理解して実践していきましょう。

リスクマネジメントの考え方

 介護現場におけるリスクマネジメントとは、介護事故のリスクを把握し、組織で共有して、事故が起こらないように管理していくことです。

 リスクマネジメントを行っていく意味は、大きく2つあります。

マネジメントする意味

1,ご利用者の安心・安全な生活を守る

2,職員が安心して業務を行える環境を作る

 ご利用者のためはもちろん、事故を未然に防ぐことや事故が発生した場合の対応方法を学んでおくことは、職員や施設を守ることにもつながります。

リスクマネジメントの重要性について

 介護施設に入所されているご利用者は、高齢による心身の変化や機能の低下により、事故が起こりやすい状態にある方たちです。ご利用者の安心・安全のため、リスクマネジメントは重要な意味があります。

 その一方で、施設で起きる事故を100%防ぐことはできないという事実もあります。

 施設では、限られた職員と環境の中で、多くのご利用者のケアを行わなければなりません。常に高リスクの方にマンツーマンで対応し続けることはできませんし、居室やトイレなど職員の死角となるところもたくさんあります。認知症の方であれば、危険予測が難しく、転倒リスクがあっても、ご自分で歩き回られる方もいます。

ポイント

事故を100%防ぐことは難しいことを理解した上で、そのリスクをどれだけ軽減できるかが重要

 ご利用者の生活とリスク管理、その両面が大切になります。

 100%事故を防ぐという考え方になっていますと、過剰な対応(拘束や過度な行動制限など)につながる可能性もあります。あくまで、生活の場であるという視点を持ちつつ、リスク管理を行っていくことが必要です。

高齢者の心身の変化を理解すること

 リスクマネジメントを考える上で、高齢者の心身の状態を理解しておくことが必要です。

 ここでは、高齢者の「身体的な変化」と「精神面の変化」に分けて把握しておきましょう。

身体的な変化

1.視力が低下してくる

2.口腔機能・咀嚼機能・嚥下機能の低下

3.耳がとおくなる

4.骨粗鬆症などの骨の衰え

5.関節の拘縮・動きが悪くなる

6.筋力の低下

7.心肺機能の低下

精神面の変化

1.新しいことを覚えることが難しくなる

2.環境の変化についていけなくなる

3.疲労を感じやすくなる 

4.危険予測や集中することができなくなる 

5.物事にあまり関心がなくなる

リスクマネジメントに必要な4つのステップ

 リスクマネジメントを実施していくための方法を4つに分けて説明していきます。

4つのステップ

1,リスクの発見と把握

2,分析と評価

3,リスクへの対応方法

4,リスク管理の運用

 この4つの視点を意識しながら、PDCAを繰り返していくことが重要です。

STEP1 リスクの発見と把握

 STEP1で必要になるのが、ひやりはっと報告や事故報告書の収集です。

「ひやりはっと」とは

事故には至らなかったが、事故につながる可能性があった「ミス」「ヒヤリ」とした「ハッ」としたこと。

 ひやりはっとは、事故を未然に防ぐための気づきとなる重要なツールです。この段階で気づくことで、リスクを減らすことにつながっていきます。

 これは、「ハインリッヒの法則」という労働災害の考え方においても重要であるとが分かります。

ハインリッヒの法則とは

1つの重大事故の裏には、29件の軽微な事故が存在し、その裏には300のヒヤリハットがあるという法則

 逆に言えば、300のヒヤリハットという気づきがあれば、29件の軽微な事故、そして1件の重大事故を防ぐことができるということです。

 つまり、ひやりはっとがきちんと上がってくることで、事故を防ぐことにつながりますので、積極的にひやりはっと報告書を活用していくことをお勧めします。

STEP2 ひやりはっと・事故報告の分析と評価

 ひやりはっと報告書や事故報告書の収集を行ったら、その報告書について、「なぜそれが発生したのか」その要因分析を行っていきます。

 その際に、以下の4つの分類に分けると整理しやすくなります。

分析と評価の4分類

1,ヒューマンエラー

2,ハード面の問題

3,環境的な要因

4,管理体制上の要因

 4つに分類することで、役割分担も明確になりますし、より具体的な対応策を立てることができます。

STEP3 リスクへの対応について整備する

 実際に事故が起こった場合を想定し、緊急時にどのような対応をすべきなのかを具体的に考え、整備します。

 この整備については、各施設で設置されている安全対策委員会の役割となります。

 主に整備する内容としては、以下の4つが上げられます。

委員会の役割

1,マニュアルの整備

2,職員研修の実施

3,事故対応フローチャートの作成

4,記録・報告の手順

 また、令和3年度の介護報酬改定にて、安全対策担当者の選任が義務付けられたため、不備がないか確認しておきましょう。

※「安全対策体制加算」...担当者が安全対策に係る外部の研修を受講し、組織的に安全対策を実施する体制を備えている事業所を評価する加算

※「安全管理体制未実施減算」...運営基準における事故の発生・再発防止のための措置が講じられていない場合に適用される減算措置

STEP4 リスク管理の運用

 安全対策委員会で整備した内容を組織として運用するために、システム化していくことが重要です。

・リスク対応で決定したマニュアルに沿って対応していくこと。

・事故が起きた際の対応を職員が周知しておくこと

・職員の理解を深め、安全・安心を継続すること

 施設の現状や職員体制などに沿った形で、見直しや評価、マニュアルの改訂などのPDCAサイクルを回し、常に最新の対応が、きちんと施設内で運用されているのかを確認していきましょう。

介護事故発生または防止のためのリスクマネジメントまとめ

 今回は以下の件についてお話してきました。

この記事で解説した内容

○リスクマネジメントの重要性への理解

ハインリッヒの法則

リスクの発見・把握

ひやりはっと・事故報告書の分析と評価

リスクへの対策

リスク管理の運用

 介護事故防止のためのリスクマネジメントは、ご利用者の安心や安全を守るのはもちろん、職員が安心して働ける環境を作ることにもつながります。今回の研修と通じて、介護事故防止への理解と共通認識を形成していきましょう。

介護事故に関するおすすめ書籍

事故発生時のご家族への対応等について

 もしあなたが生活相談員であれば、事故後の適切な対応が求められます。対応を間違えると、苦情になったり損害賠償を請求されたりします。事故発生後の対応については、こちらの記事を参考にしてみてください。

【保存版】介護事故が発生した時の生活相談員の対応手順 ※連絡の具体例あり

続きを見る

投稿記事下

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

-施設研修の資料