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【解説】生活相談員(デイ,ショート,特養)の仕事内容・資格・給与

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 こんにちは、ほしくずです。

 今回は、生活相談員として15年以上働いているボクが、今まで経験してきたことを踏まえて、生活相談員のありとあらゆる全てを紹介していきたいと思います。

 今でこそ生活相談員としてのキャリアを積み上げてきたことにより、生活相談員としての役割や仕事を理解していますが、そもそも世間一般では、生活相談員という仕事は、全くと言っていいほど認知されていません

 ボク自身も新卒で生活相談員として採用されましたが、実際どんな仕事をするのか全然イメージできませんでした。

相談員だから、話を聞いてあげればいいのかな?

何も知らない自分に勤まるのかな?

 正直、働き始めるまで毎日不安でした。

 これから生活相談員を目指す人には、そんな不安を感じてほしくありません。

 そこで、今回は生活相談員の仕事内容などをお話していきたいと思います。

こんな人におすすめな記事

●生活相談員として採用が決まったけど、どんな仕事をするのか分からない

●相談員って、何も経験がなくてもできるのか不安

●仕事に就く前に、業務内容を知っておきたい

●ぶっちゃけ給料はどれくらいなのか知りたい

 生活相談員が、不安なまま仕事をすると、ご利用者や家族にもその不安が伝わってしまいます。仕事に就く前に取り除ける不安は、今のうちに解消しておきましょう

生活相談員とは?

 生活相談員は、主にご利用者や家族の相談に応じたり、入所やサービスを利用するにあたっての調整や各種手続きをしたり、関係する医療機関や事業所との連絡をとったりする仕事です。

 ざっくり言うと「報告・連絡・相談」が主な仕事です。

 その他、事業所の様々な役割や特殊任務を任される場合があります。わりとマルチに活躍することを求められるため、介護保険に関する知識以外にも、マネジメント能力やパソコンのスキルコミュニケーションも必要になってきます。

 重複する部分も多いですが、勤務する事業所によって、業務内容が少しずつ違ってきます。

 生活相談員として勤務する場所は以下の3つです。

生活相談員の勤務する場所

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

・短期入所生活介護(ショートステイ)

・通所介護サービス事業所(デイサービス)

 それぞれの事業所における業務内容について。説明していきます。

 ちなみに、介護老人保健施設(老健)で働く相談員は「支援相談員」と言います。

介護老人福祉施設(特養)の生活相談員の配置基準と仕事内容

 特別養護老人ホームは、原則要介護3以上の方が、様々な事情により在宅での生活が困難な場合などに入所される事業所です。生活相談員としては、この入所されているご利用者の方が安心して生活できるように支援することが仕事になります。

配置基準

入所者100人につき、常勤で1名以上の配置

 主な仕事内容は以下のとおりです。

特養の生活相談員の仕事

・施設入所に関する問い合わせや申し込みに関する対応

・入退所の手続き・契約や各種申請に関する業務

・ご利用者や家族からの相談に対する対応

・医療機関や関係する事業所、地域などとの連絡や調整

・他職種との連携、サポート、チームマネジメント

 入所されているご利用者が、安心して生活していけるように、ご利用者自身へのサポートはもちろん、ご家族の気持ちをお聞きして対応を検討したり、ご利用者にとって最善の関わり方を他職種と協議・実践していく道筋を模索したり、仕事内容は多岐に渡ります。

 また、施設の窓口として地域や関係事業所などへの対応も仕事内容に含まれます。

 詳しくは、下記の記事を参考にして下さい。

ショートステイの生活相談員の配置基準と仕事内容

 ショートステイは、要支援・要介護認定を受けた方が、一時的に在宅での介護が難しくなった場合や介護するご家族のレスパイトなどを目的として、1泊2日から30日を超えない範囲で施設に入所される事業所です。

 生活相談員としては、在宅生活との継続性を意識しながら、ご利用者やご家族、ケアマネジャーや関係する事業所と連絡・調整していくことが主な仕事になります。

配置基準

利用定員100名につき、1名以上の配置(常勤1名以上)

 主な仕事内容は以下のとおりです。

ショートステイの生活相談員の仕事

・ショートステイ利用に関する問い合わせや利用希望の対応

・事前訪問、サービス担当者会議等への出席、サービス利用契約書の説明・手続きに関する業務

・ご利用者やご家族からの相談に対する対応

・担当ケアマネジャーやご利用者が関係する医療機関、関係事業所との連絡・調整

・他職種との連携、サポート、チームマネジメント

苦情などの対応、受付窓口

・介護報酬の請求業務

 仕事をする上では、在宅での生活を常に意識しておくことが重要です。在宅で歩いている方が、危険だからという理由でショート利用中に車椅子を使用し、家に帰ってから歩行が悪くなったなどという話は、よくあるパターンです。

 あくまでも生活のベースは在宅にあるということを意識しながら、ご家族や他職種と連携していくことが求められます。

デイサービスの生活相談員の配置基準と仕事内容

 デイサービスは、要支援・要介護認定を受けた方などが、入浴やリハビリなど、それぞれのニーズに合わせて日帰りで介護サービスを受ける事業所です。

 入浴・機能訓練・レクリエーションなどを提供するオーソドックスなサービス提供から、短時間でリハビリに特化したサービスを提供する事業所など、法人や運営主体の方針によって様々な特色が見受けられます。

配置基準

1名以上(生活相談員または介護職員のうち、1名以上は常勤必須)

 主な仕事内容は、以下のとおりです。

デイの生活相談員の仕事内容

・デイサービス利用に関する問い合わせや利用希望の対応

事前訪問、サービス担当者会議等への出席、サービス利用契約書の説明・手続きに関する業務

ご利用者やご家族からの相談に対する対応

・担当ケアマネジャーやご利用者が関係する医療機関、関係事業所との連絡・調整

・他職種との連携、サポート、チームマネジメント

苦情などの対応、受付窓口

送迎業務

・介護報酬の請求業務

 デイサービスは、ご利用者と比較的近い距離間で仕事を行うことになります。時間帯によっては、介護業務に入ったり、リハビリやレクリエーション活動に加わったり、特養やショートの相談員に比べて、比較的アクティブに動く業務が多くなります。

 ご利用者自身が、機能訓練やリハビリ、入浴など明確な目的を持って利用される方も多く、その方おひとりおひとりのニーズをきちんと把握し、サービスを提供していくことは求められます。

生活相談員の特殊任務

 ここでは、私が今まで担ってきた上記以外の仕事を紹介していきます。

 簡単にまとめると以下のとおりです。

生活相談員の特殊任務

・動物(ヤギ、にわとり、犬、クジャク)の世話 ※エサの管理から死骸の片づけまで

・プロモーション映像の作成などの広報活動

・研修資料作成と講師

・法人重役の送迎、理事・監事の送迎

 生活相談員は、時に何でも屋と言われるほど、いろいろな業務にマルチに携わる機会が与えられます。

 福祉だけでは知らない世界を見ることができたり、個人的には楽しく感じています。この他にも、様々な経験をされている生活相談員の方がいると思います。

生活相談員の資格要件

 生活相談員として働くためには、一般的に下記のような資格を有していることが要件として定められています。

 

 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第46号)第5条第2項で以下のとおり定める生活相談員に準ずるとされています。

 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有する者

 社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者とは...

 ①大学又は専門学校で厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者

 ②厚生労働大臣指定養成機関又は講習会の修了者

 ③社会福祉士

 ④厚生労働大臣指定資格合格者(現在は実施されていない)

 ⑤同等以上の者として厚生労働省令で定めるもの ※精神保健福祉士または大学において法第19条第1項第1号に規定する厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて、大学院への入学を認められた者

 これと同等以上の能力を有する者とは...

 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準第5条第2項に係る「同等以上の能力を有すると認められる者」は、自治体が介護福祉士や介護支援専門員の実務経験をもって認められているもので、各自治体により解釈が異なる場合がありますので、確認をしていただく必要があります。

 以上の要件をまとめると下記のとおりです。

生活相談員の資格要件

・社会福祉士

・精神保健福祉士

・社会福祉主事任用資格

・介護福祉士

・介護支援専門員

・実務経験により認められるもの

 基本的には、「社会福祉士」もしくは「社会福祉主事任用資格」を有していれば間違いないと思います。

資格があれば未経験でも大丈夫か?

 社会福祉士などの資格を取得し、それを活かした仕事に就きたいと考えるのであれば、生活相談員が選択肢のひとつとなります。

 では、未経験で生活相談員として働くことは可能なのでしょうか?

 結論としては、条件付きで可能です。

 ○介護保険制度に関する知識があり、事業所の特色や役割を理解し、ご利用者や家族、関係事業所などと円滑にコミュニケーションがとれる自信がある

 ○ベテランの生活相談員がすでにいる

 どちらかの条件に合えば、チャレンジしてみても良いと思います。

 しかし、どちらの条件にも合致しない状況で、未経験で生活相談員になるというのは、かなりの覚悟が必要だと思います。資格を有していてもおススメはできません。

生活相談員の給料

 生活相談員の給料は、決して高いものではありません。

 私は、比較的田舎の事業所に勤務しているので、都心部の相場は分かりませんが、社会福祉士を有して生活相談員歴15年以上でリーダーの役職が就いている私の令和4年4月の手取りは、21万3,500円です。

 多いか少ないかは、それぞれ感じ方が異なると思いますので、一概には言えませんは、給料がいいとは言えませんよね。

 求人情報などを視ると、介護職員に比べて生活相談員の方が基本給が高く設定されていることが多いです。しかし、実際には介護職員には夜勤手当・処遇改善加算・特定処遇改善加算など、その他の手当てがたんまりと付与されません。

 対して生活相談員は資格手当くらいしか付与されず、処遇改善加算も事業所によっては全く貰えなかったりします。

 介護職員の待遇は、どんどん見直されてきていますが、生活相談員は全く変わらないのが現状ですね。

生活相談員の仕事のまとめ

 今回の記事では、以下の内容についてお話してきました。

この記事でお話した内容

・各事業所ごとの生活相談員の仕事内容

・生活相談員になるための資格要件

・生活相談員の給料

 生活相談員の仕事について少しでもお役に立てていたら嬉しいです。

 記事で紹介した通り、生活相談員の仕事はかなり多岐にわたっています。しかし、その割には給与水準としては決して良いわけではありません。生活相談員の私としては、ひとりでも多く生活相談員を目指してほしいと思っています。

 しかし、現実的な話、これから結婚や子育てのことを考えると生活相談員の給与だけでは厳しいと思っています。

 各種処遇改善を算定している事業所であれば、介護職員の方が圧倒的に年収は高くなります。

 介護で稼いで、あとから生活相談員になるというのもぶっちゃけアリですね。

 これから生活相談員を目指す方の参考になれば嬉しく思います。

 では、また次の記事でお会いしましょう。

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