こんにちは、ほしくずです。
社会福祉士や介護福祉士の資格を有して仕事をしている人が、さらなるキャリアアップを目標に資格取得を目指すのが、ケアマネジャー(ケアマネ)です。
正式名称は、介護支援専門員と言います。ケアマネ試験も、正式には介護支援専門員実務研修受講試験です。
事業所としては、ご利用者の集客に関わる資格として重宝されますし、個人としても介護現場から事務系の仕事への移行できたり、転職する時に介護支援専門員を持っていると待遇面で有利になります。事業所によっては、資格手当が付いて給与がアップなんていうことも!
そんなメリットいっぱいの資格試験は、毎年10月頃に実施されます。
受験に向けて勉強をすでに始めている方もいると思いますが、この試験に挑戦する人の多くは、介護職員や生活相談員などとして働きながら勉強に取り組む人たちです。
働きながら勉強するってかなり負担が大きいですよね。不規則勤務をしている介護職員であれば、その負担はさらに大きくなります。
試験勉強の悩み
・問題を見たけど、難しそうで勉強する気にならない
・どうやって勉強すればいいのかわからない
・どの参考書がいいのかわからない
・効率よく勉強したい
・省エネで一発合格したい
できるだけ負担を少なくして合格したい!と考えますよね。
今回は、できるだけ負担をかけず、効率的に勉強して合格する方法を教えたいと思います。
ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)とは?
介護に携わる方であれば、ケアマネという資格のことを知っている人がほとんどだと思います。私も生活相談員として働いているので、ケアマネの方からご利用者を紹介して頂いたり、支援方法を一緒に考えたり、日々お世話になっています。
今月、第26回介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表がありました。
「介護支援専門員実務研修受講試験事業実施要綱」による介護支援専門員実務研修受講試験の意義は、以下のとおりに示されています。
介護支援専門員実務研修受講希望者に対して介護支援専門員の業務に関する演習等を主体とする実務的な研修を行うに際し、事前に、介護保険制度、要介護認定等、居宅サービス計画等に関する必要な専門知識等を有していることを確認するための試験を実施することにより、全国的に介護支援専門員の高い資質を確保することを目的とする
「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」(平成18年5月22日付け老発第0522001号厚生労働省老健局長通知)より
つまり、介護支援専門員実務研修受講試験は、その資格を取得するために必要な知識や制度への理解が、きちんと身についているのかを確認するための試験ということになります。
ケアマネの受験資格について
介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格は、特定の資格を有して実務に従事した期間または、特定の業務に従事した期間が、通算5年以上であり、従事した日数が900日以上であれば受験資格を得られます。
大きく分けると以下のようになります。
特定の国家資格を有している
◇ 保健・医療・福祉に関する以下の法定資格保有者で、法定資格に基づく当該資格に係る業務
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士
特定の業務に従事している
◇生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として、受験資格に定められる相談援助業務
受験を予定している都道府県によって、若干要件が異なる場合がありますので、詳しくは該当する地域の受験要綱をよく確認してみて下さい。
第26回介護支援専門員実務研修受講試験の日程(すでに終了※12/4合格発表)
試験日までは、まだ日がありますが、受験申込期間はすでに開始しているところがほとんどですので、必ず確認しましょう。
試験日時:令和5年10月8日(日)
試験要綱配布・申し込み期間:都道府県によって異なるため、必ず確認すること ※概ね6月中旬から7月初旬
合格発表:令和4年12月4日(月)
試験は難しいの? 試験の難易度について
介護支援専門員実務研修受講試験の合格率は、毎年20%前後で推移しています。合格率だけ見れば、社会福祉士国家試験に匹敵する難関試験です。(※介護支援専門員は、国家資格ではありません)
ケアマネ試験の合格率推移
直近の第24回介護支援専門員実務研修受講試験では、久しぶりに合格率が20%を超え、合格者数も10,000人を超えました。
試験実施日 | 合格率 | 合格者数 |
第26回 令和5年10月 8日 | 20. 9% | 11,844人 |
第25回 令和4年10月 9日 | 19.0% | 10,328人 |
第24回 令和3年10月10日 | 23.3% | 12,662人 |
第23回 令和2年10月11日 | 17.7% | 8,200人 |
受験資格の要件が変更になったことにより、平成30年以降は受験者数が減少したという経緯があります。
受験者数は4年連続の増加し、過去最少だった2019年度と比べると、約1万5千人、38%ほど増えました。
直近2年は微増傾向で決して減っているわけではありませんが、現場の関係者の間ではケアマネジャーの人気低下を指摘する声が非常に強まっています。
合格者数の増加は2年ぶり。前回より1500人強多くなりました。
一見、難しそうに感じられますが、事業所に言われて受けさせられた人、受験資格を得たからなんとなく受けてみた人、様子見で受けて見た人など、合格するという目的を持って受験する人ばかりではないので、合格率だけに騙されて、勝手に難しい試験だと思わないようにしましょう。
きちんと勉強して、準備をすれば十分合格できる試験です。
合格基準点の推移
介護支援専門員実務研修受講試験は、各分野において基準点を超える得点が必要となります。合格の基準点は正答率70%が目安となっています。その年度の難易度により、基準点の補正が行われる仕組みとなっています。
試験実施日 | 介 護 支 援 分 野 | 保健医療福祉サービス分野 |
第24回 令和3年10月10日 | 14点 | 25点 |
第23回 令和2年10月11日 | 13点 | 22点 |
第22回 令和元年10月13日 | 15点 | 24点 |
第21回 平成30年10月14日 | 13点 | 22点 |
平成27年以降は、介護支援専門員の質・専門性の向上のため、免除科目がなくなり、国家資格の有無に関わらず全員が60問すべてに解答することになりました。
第24回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況
厚生労働省において、令和3年度に行われた介護支援専門員実務研修受講試験の結果を公表されています。
実施状況まとめ
・受験者数は5万4290人で、合格者は1万2662人となり、合格率23.3%(第23回17.7%)
・第23回から受験者数は7875人増加し、合格者数も4462人増加となり、最近の10年間では最も良い合格率を記録
・合格者が1万人を超えるのは4年ぶり
・合格者を資格別の割合で見ると、介護福祉士が60.7%、看護師・准看護師が16.8%、社会福祉士が7.4%の順
介護職員の待遇改善が進む中、介護支援専門員の必要性や待遇改善を求める声も大きくなってきています。自身のキャリアアップや制度の流れを含めて、今のうちに資格取得を目指すのが得策ですね。
介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の勉強方法
それでは、試験勉強の方法を解説していきます。繰り返しになりますが、介護支援専門員実務研修受講試験は、勉強をきちんとすれば、必ず合格できる試験です。合格率や周囲の話に惑わされずに勉強を続けていくことが、合格への近道なんです。
合格する人の多くは、初回もしくは2回目で合格しています。
ケアマネ試験の勉強に必要な心構え・ポイント
まずは、勉強をするために必要な心構え・ポイントについてお話しますので、常に意識して取り組んでください。
心構え・ポイント
・早期に勉強を始めたほうが、合格する確率が高くなる
・一発で合格するつもりで勉強する
・勉強を始めたら、勉強しない日を作らない
・いろんな参考書に手を出さない
○早期に勉強を始めたほうが、合格する確率が高くなる
当たり前ですが、勉強をする時間を多く確保すれば、合格する確率が高くなります。また、早期に勉強を始めるメリットとしては、1日あたりの勉強の負担を減らせるという点です。
直前になると、詰め込み勉強になってしまい、範囲を終わらせるために勉強時間を多く確保しなければならなくなります。仕事をしながら受験勉強をする方は多いと思います。仕事と勉強の両立は、口で言うほど簡単ではありません。
仕事と勉強のバランスを考えて、計画的に勉強するためにも、早めに勉強を開始することをお勧めします。
○一発で合格するつもりで勉強する
そもそも合格するつもりが無いのであれば、勉強しなくていいです。何となく勉強しておく程度の意識で勉強して、不合格になることが分かっているなら、その時間を遊びや楽しいことに費やした方が、充実した時間を過ごすことができます。
中途半端な気持ちで勉強するなら、受験しなくていいです。せっかく勉強するのであれば一発合格を目指して勉強しましょう。
○勉強を始めたら、勉強しない日を作らない
人間は、基本的に楽な方を選びます。勉強もいろいろな理由をつけてやらない選択をする可能性が非常に高いです。
「バイトがあるから...」 「飲み会だから...」 「昨日頑張ったから...」など、いくらでも言い訳を考えることができます。この思考が常態化すると勉強しない日が増えていってしまいます。
エビングハウスの忘却曲線をご存じですか?
「記憶」してから経過した時間が短いほど、次に同じものを「記憶」する時間が「節約(短縮)」されるというものです。時間の経過とともに記憶の効率が悪くなっていきます。毎日勉強した方が、勉強効率がどんどん良くなり、勉強が捗るようになるのです。
○いろんな参考書に手を出さない
友達が使っている参考書やネットの評価の高い参考書などが、自分が使っている参考書よりも優れているのではないかと、別の参考書に乗り換える人がいます。それは、ただの時間の無駄です。1冊の参考書を擦り切れるくらいまで徹底的にやり込む方が、試験に合格しやすいです。
あれこれ手を出してしまうと、何が大事で自分がどこまで理解できているのか、評価しづらくなってしまいます。
決めた参考書を徹底的にやり切ることが重要です。
ケアマネ試験勉強で使用する参考書と勉強方法
使用する参考書は3つです。
ポイント
・ケアマネジャー試験 過去問解説集2022
・ケアマネジャー試験 合格問題集2022
・ケアマネジャー試験受験ワークブック2022
ケアマネジャー試験 過去問解説集2022
まずは過去問から始めましょう。
やり方は簡単です。
過去問を見る ➡ 問題を解いてみる ➡ 解説を読む
この繰り返しです。
過去問から始める理由は3つあります。
過去問から始める理由
・試験の難易度を知ること
・得意分野、苦手分野を知ること
・出題傾向を知ること
試験の難易度を感じて、自分がこれから受ける試験を知りましょう。
いきなり過去問からはじめても大丈夫です。最初は、ほとんど解けないかもしれませんが、勉強をスタートした時はみんな同じです。解けなくて当たり前で、ここからどれだけ自分に知識を積み上げられるかが勝負です。
早い時期から勉強を始めれば、1日10問~20問を目安に解き始めると良いと思います。解くというより、問題を見ること・慣れること・解説でインプットすることを意識しましょう。
1日10問なら1か月で300問に取り組むことになります。ケアマネ試験は、設問が60題ありますので、5年分を解くことになります。
1日20問なら過去問解説集を2周もできます。小さな積み重ねがいかに大切かがわかりますね。
ケアマネジャー試験合格問題集2022
過去問解説集を解き、8割程度に正解できるようになったら、問題集にチャレンジしてアウトプットしていきましょう。
過去問を繰り返し行っていれば、十分力がついているはずです。初めて取り組んでみて6割くらいに正解できていれば十分です。この時点で9月初旬であれば、順調に勉強できている状態です。
あとは、問題を解きながら解説を読み、自分が解けない問題を徹底的に潰していきましょう。
苦手な分野があれば、一度過去問に戻って確認してみても良いと思います。
ケアマネジャー試験ワークブック2022
すき間時間やちょっと確認したいときには『ケアマネジャー試験ワークブック』が有効です。
こまめに理解度をチェックしたり、ミニ問題で手軽に確認できるので、がっつり勉強時間を確保できない時に役立ちます。頻出項目もABCで分けられているので、頻出問題だけでも取り組んでおくと効果的です。
この3冊で9,240円です。1万円もかからずに合格できますよ!
その他のおすすめ参考書
『ケアマネジャー試験過去問でる順一問一答2022』
いきなり過去問に挑戦するにはハードルが高いなと感じる方やサクサクテンポよく勉強した方にはおすすめです。
『ケアマネジャー合格テキスト‘22』
テキストがないと不安、わからないところを徹底的に調べたいという方におすすめです。これが一番詳しくわかりやすい参考書です。
やってはいけないケアマネ試験に落ちる勉強法
ケアマネ試験は、仕事をしながら勉強する人がほとんどであるということを繰り返し、お伝えしてきました。限られた時間を有効に使うために、やってはいけない勉強法も解説しておきます。この勉強法で取り組んでいる方は、今すぐ勉強法を切り替えてください。
テキストから始める勉強法
テキストを最初から丁寧に読み始め、付せんや蛍光ペンでアンダーラインを引きながら勉強するのは時間の無駄です。一見正攻法に思えますが、時間帯効果が悪すぎます。テキストを読み終わる頃には、最初の方は忘れてしまっていて、また読むことになります。
圧倒的に時間が足りなくなりますので、すぐに止めましょう。
きれいなノートを作る勉強法
勉強したことをノートにまとめたがる人がいますが、意味がありません。ましてや自分の勉強でしか使わないのに、丁寧にノートを作る必要もありません。解けなかった問題を記録しておく程度ならいいですが、学校の授業の板書のように、ノートを作る必要はありません。
必要であれば、上記のテキストを購入すればすでにまとまっていますので、それで十分です。
どれだけ「インプット ⇔ アウトプット」を繰り返せるか
これが、合格への近道です。
ケアマネ試験合格勉強法のまとめ
介護支援専門員は、これからますます高齢化が進む日本では、需要が高い資格です。ぜひ、この記事を参考にしていただき合格をつかみ取って頂きたいと思います。
まとめ
・合格するという強い意志で、毎日勉強すること
・勉強は過去問を最大限に活用すること
・インプットとアウトプットを繰り返すこと
・無駄なこと、非効率な勉強はしないこと
・あれこれいろんな参考書に手を出さないこと
このポイントをしっかりと押さえて勉強し、必ず合格を掴み取りましょう。