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【看取りケアの専門家】終末期ケア専門士の取得で、人生の最期に寄り添うために

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 こんにちは、社会福祉士のほしくずです。

 「人生の最期に、何を大切にしたいのか。」

 この問いに、きちんと答えることができる人は、そう多くないでしょう。しかし、大切な人が人生の最期を迎える時、その人が何を大切にしていたのかを知ることは、とても大切なことです。そして、最期を迎えようとしている本人を支えるご家族へのサポートも重要です。

 終末期ケア専門士は、そんな大切な人たちの人生の最期の時を、その人や家族の希望を尊重しながら、寄り添い支えるための知識を身につけることができる資格です。

 この記事では、終末期ケア専門士の役割や資格取得を目指すことで身につけられる知識、取得するための流れや勉強方法を解説していきます。

 終末期ケア専門士に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

終末期ケア専門士とは?

 終末期ケアとは、死を迎える人やその家族に対するケアです。

 「終末期ケア専門士」は、主に医療や介護の従事者を対象とした民間資格で、患者や家族を、確かな根拠に基づいてケアできる人材の育成を目的として、一般社団法人日本終末期ケア協会(JTCA)により、2020年に設立されました。

 終末期ケアは、単に死を看取るだけでなく、その人らしい人生の最後を過ごすためのケアです。終末期ケア専門士は、その人や家族の希望を尊重し、最期まで寄り添うためのケアを提供します。

終末期ケア専門士の役割

 終末期ケア専門士の役割は、大きく分けて以下の3つです。

終末期ケア専門士の役割

  • 終末期ケアの専門知識を提供する
  • 終末期ケアの現場で活躍する
  • 終末期ケアの普及に努める

 それぞれ詳しく見ていきましょう。

終末期ケア専門士の役割①:終末期ケアの専門知識を提供する

 終末期ケア専門士は、終末期ケアの専門知識を提供する役割を担っています。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

ポイント

  • 終末期ケアの基本的な知識や考え方を、一般の人や医療・介護の従事者に伝える
  • 終末期ケアの最新の知見や研究成果を、広く発信する
  • 終末期ケアの教育・研修を実施する

終末期ケア専門士の役割②:終末期ケアの現場で活躍する

 終末期ケア専門士は、終末期ケアの現場で活躍する役割を担っています。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

ポイント

  • 病院や介護施設、在宅医療などの現場で、終末期を迎える人やその家族のケアを提供する
  • 終末期ケアのチームの一員として、他の医療・介護職員と連携してケアを行う
  • 終末期ケアの質の向上に貢献する

終末期ケア専門士の役割③:終末期ケアの普及に努める

 終末期ケア専門士は、終末期ケアの普及に努める役割を担っています。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

ポイント

  • 終末期ケアの必要性や重要性を、社会に啓発する
  • 終末期ケアの支援体制の整備に取り組む
  • 終末期ケアの担い手の育成に貢献する

終末期ケア専門士を取得するメリット

 終末期ケア専門士の資格は、終末期ケアの基礎から学べるため、看取りケア未経験者でも、スキルをしっかり身につけられるのが魅力です。

 具体的には、以下のメリットがあります。

メリット

  • 確かな根拠に基づいたケアができるようになる
  • 看取りケアに関する理解が深まり、臨床ケアの専門性を高められる
  • 専門的な知識があれば、個々のケースに合った対応が取りやすくなる
  • 実践的な資格の取得により、患者やその家族、一緒に働くスタッフに安心感を与えられる
  • キャリアアップにもつながる

 終末期ケア専門士の試験は、終末期ケアの専門知識を問う内容となっています。試験に合格することで、終末期ケアの専門知識を身につけることができます。

 また、病院や介護施設、在宅医療などの終末期ケアの現場で活躍することができます。終末期ケアの専門知識と技術を活かして、人々の人生の最期を支えることができます。

終末期ケア専門士の取得の流れ

 終末期ケア専門士になるには、一般社団法人日本終末期ケア協会が実施する、終末期ケア専門士認定試験に合格する必要があります。受験するためには、受験資格を満たしている必要があります。

 詳しくは一般社団法人日本終末期ケア協会のホームページをご確認ください。

 公式テキスト、予想問題集はこちら↓

 また、合格後には、資格の認定登録が必要です。認定登録後は、認定登録を更新するための単位の取得が必要になります。

終末期ケア専門士の受験資格

 受験には定められた資格の取得と、その資格における一定の実務経験年数が必要です。

 必要な実務経験年数は下記の表のとおりです。

実務経験受験資格の対象となる資格
実務経験3年以上必要栄養士、准看護士、臨床心理士、音楽療法士、介護士
※介護士は実務者研修修了証のコピーの提出が必要。修了証の日付は問わない
実務経験2年以上必要医師、歯科医師、看護師、保健師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床工学技士、歯科衛生士、管理栄養士、介護支援専門員、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床検査技師、公認心理師、救急救命士、放射線技師、介護福祉士
※介護福祉士は介護士の実務経験と合わせて3年以上あれば受験可

終末期ケア専門士の試験内容

 終末期ケア専門士の試験概要は以下のとおりです。

終末期ケア専門士試験対策WEB講習会はこちら
Ⅰ.概論・生と死
・終末期に関する定義と概念
・全人的苦痛とは
・わが国における看取りを取り巻く状況
Ⅱ.終末期におけるチームケア・チームケアとは
・チームケアの実際
・よりよいチームとなるために
Ⅲ.日常生活を支えるケア・加齢に伴う変化
・コミュニケーション
・食を支えるケア
・口腔ケア
・排泄ケア
・褥瘡ケア
・終末期リハビリテーション
Ⅳ.身体症状とそのケア・痛みの治療とケア
・呼吸困難の治療とケア
・消化器症状の治療とケア
・全身倦怠感の治療とケア
・浮腫の治療とケア
・せん妄への治療とケア
・不眠の治療とケア
・抑うつの治療とケア
Ⅴ.意思決定支援・終末期の意思決定支援
・バッドニュースの伝え方
・終末期にまつわる倫理
・意思決定支援の実際
・意思決定支援で大切なこと
Ⅵ.家族ケア・家族とは何か
・家族のアセスメント
・終末期における家族のニーズ
・家族ケアの実際
・終末期における家族への支援
Ⅶ.スピリチュアルケア・スピリチュアルケアの成り立ち
・スピリチュアルペイン
・ケアのいとなみ
・ケアする人のケア
Ⅷ.グリーフケア・グリーフとは
・悲嘆反応
・喪失と悲嘆の諸相
・悲しみへの配慮
・グリーフケアとしての遺族会
Ⅸ.看取り期のケア・看取りケアの実際
・死亡確認と死亡診断書
・エンゼルケア
Ⅹ.終末期を取り巻く社会資源・社会資源とは
・社会保障制度
・社会保険制度
・社会福祉法
・障害者福祉制度
・公的扶助
・終末期における介護保険
・医療保険
・終末期を取り巻く現状と課題
Ⅺ.疾患別終末期ケア・悪性腫瘍の終末期ケア
・認知症の終末期ケア
・脳血管障害の終末期ケア
・慢性閉塞性肺疾患の終末期ケア
・心不全の終末期ケア
・腎不全の終末期ケア
・神経難病の終末期ケア
一般社団法人日本終末期ケア協会より

終末期ケア専門士の受験対策

 終末期ケア専門士の試験に合格するためには、以下の対策が有効です。

ポイント

  • 予想問題集を解いて傾向をつかむ
  • テキストを使って知識を身につける

 終末期ケア専門士の参考書については、アステッキホールディングスから出ているものしかありません。試験問題も持ち帰りができないため、過去問集もありませんので、公式テキストと予想問題集を駆使して勉強していくことになります。

終末期ケア専門士公式テキストの希望者はこちら

まとめ

 終末期ケア専門士は、人生の最後に寄り添う仕事に就くための、とても魅力的な資格です。終末期ケアの専門知識と技術を身につけて、人々の人生の最後を支える、やりがいのある仕事に就きましょう。 

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