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【LIFEって何?】居宅介護支援、訪問介護なども対象になる!2024年介護保険制度改正の動き

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ほしくず

生活相談員(社会福祉士,介護福祉士,介護支援専門員,実習指導者) デイサービス、ショートステイ、特養の生活相談員を15年以上経験して感じた相談員の楽しさ、業務に役立つ情報、楽しく働くコツをわかりやすく解説。現役だから分かる仕事のテクニックや情報をお届けします。

 2024年度の介護保険制度改正では、科学的介護情報システムLIFEにケアマネや訪問介護などの訪問系サービスも対象になる可能性が浮上してきました。

 令和3年度介護報酬改定で本格運用が始まったLIFEですが、導入までいろいろ手間がかかりましたが、施設系や通所系サービスの多くで導入が進んでいます。

 

 では、今まで対象でなかった居宅介護支援のケアマネや訪問介護などのサービス事業所はどうでしょうか?

科学的介護情報システム(LIFE)のことがよく分からない

 前回の介護報酬改定で、LIFEが登場したことにより、なんとなく聞いたことはあっても、実際にどう運用していけばいいのか分からないことも多いですよね。

 今回は、科学的介護情報システム(LIFE)誕生の背景や概要をおさらいしながら、2024年度介護保険制度改正でLIFEが導入された場合でも、慌てず準備いただけるように、まずは制度について理解していただきたいと思います。

 この制度自体の良い・悪いは別として、今後介護保険制度は、この科学的介護情報システムLIFEを中心に進んでいくものと思われます。

 LIFEを知らずに、介護業界を生き残ることは難しくなります。LIFEを知るきっかけとして、ぜひ最後までお読み頂けたら嬉しいです。

科学的介護情報システムLIFEとは

 LIFEは「Long-term care Information system For Evidence」頭文字をとった略語で、「科学的介護情報システム」と訳されます。

 2021年(令和3年)度に本格的な運用が開始されました。

科学的介護情報システムLIFEの概要

 厚生労働省老健局老人保健課「科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について」によると、

〇 介護サービス利用者の状態や、介護施設・事業所で行っているケアの計画・内容などを一定の様式で入力すると、インターネットを通じて厚生労働省へ送信され、入力内容 が分析されて、当該施設等にフィードバックされる情報システム


〇 介護事業所においてPDCAサイクルを回すために活用するためのツール

引用元:厚生労働省老健局老人保健課「科学的介護情報システム(LIFE)による科学的介護の推進について」に

科学的介護情報システムLIFEが誕生した背景

 従来の介護サービスでは、長年介護を行ってきた経験や勘を頼りに介護が実践されている場合が多く、「そのケアにどんな効果があるのか」「そのケアを提供する意味は何か」が曖昧で、科学的根拠に基づくという視点が足りていませんでした。

・介護業界のデータが足りていない状況であるため、情報収集を積極的に行うこと

・介護の情報収集と収集されたデータのフィードバックを行うことにより、事業所がPDCAサイクルを回すことでケアの質の向上を目指すこと

・科学的根拠に基づいたケアの提供により、自立支援や重度化予防につなげること

 科学的介護情報システムLIFEの概要としては、これまでリハビリ情報を集めてきたデータベース(VISIT)ADL情報、栄養、口腔・嚥下、認知症情報やケアの内容の情報を集めてきたデータベース(CHASE)という2つの情報システムを一体化したシステムを「科学的介護情報システム(LIFE)」という名称に変えて科学的介護の運用をしていくこととなりました。

 医療業界は、薬の効果やリハビリの効果など、根拠に基づく医療の提供が行われてきました。

 国や厚生労働省としては、介護業界においても根拠に基づくサービスの提供が必要であると判断し、本腰を入れてきたというわけです。

科学的介護情報システムLIFE活用の流れ

 では、ざっくりとLIFE活用の流れを解説していきます。

 現在のLIFEにおいて、対象となる事業所が提供する情報は以下の通りです。

事業所を利用するご利用者の情報

ADL栄養・口腔・嚥下、認知症情報・リハビリ情報など加算に係る情報

 これらの情報を提出し、フィードバックを受けることで、そのフィードバックを活用して、事業所ごとにPDCAサイクルを構築し、ケアの質の向上の取り組みを推進するといった流れになってます。

LIFEにおける「PDCAサイクル」とは

 科学的介護情報システムLIFEにおける「PDCAサイクル」について、簡単に確認しておきましょう。

Plan(計画)...計画書(ケアプラン)の作成のこと

Do(実施)...ケアプランに基づいたケアの実践のこと

Check(チェック)...実践後のご利用者の状態の評価、ケアプランの評価のこと

Action(改善)...フィードバック情報による利用者の状態やケアの実績の変化等を踏まえて計画書の改善をするということ

 この4つの過程をPDCAサイクルと呼んでいます。

LIFE運用開始の効果

 令和3年度の介護保険制度改正・介護報酬改定で本格的に運用が開始されましたが、その効果はケアにどのような効果があったのか?

 結論からいうと、ほぼ活用できていません。自事業所と全国との比較から、自施設のご利用者の傾向や特徴を知ることができますが、具体的に「どのケアが、どの状態に効果があるのか」というところまで把握するには、現状では難しいですね。

 システム運用が開始されてまだ間もないため、そもそもデータが十分蓄積されているわけではないため、これについては仕方がないですね。

居宅のケアマネや訪問系サービスも対象になる

 令和4年12月の「経済財政諮問会議」の中で、今後の経済成長や財政健全化に向けた改革の工程表(新経済・財政再生計画改革工程表2022)において、介護分野では居宅介護支援や訪問介護(訪問系サービス)を科学的介護情報システムLIFEの対象としていくことが明記されています。

 具体的な加算要件や割合など、制度設計についてはこれから議論が煤進められていくものと思います。

 2024年度介護保険制度改正では、LIFEが次のステージに進むことが間違いありませんので、制度改正の中身を注意深く見ていく必要がありますね。

「LIFEを知らない」では生き残れない

 今回、LIFEの概要やフィードバックの活用についてざっくりと解説してきました。

 今後の介護保険制度は、「LIFEをどう活用していくのか」「LIFEに関連する加算をいかに算定していくのか」が、介護業界で生き残っていくために必要になります。

 ぜひ、この記事をきっかけにLIFEについて少し考えてください。

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